今でこそED治療薬の処方を主力とする医療機関は増えてきたが、そのいずれも例外なくAGA治療薬の処方も行っている
我々が開業した10年前、男性の生活の質をあげるための治療薬として1999年販売のバイアグラと2005年販売のプロペシアが注目されはじめた

それまで静観していた日本の医療関係者も真剣に議論の対象とし、精力剤やら興奮剤、媚薬だと見当違いな思い込みでネタにしていたマスメディアも真面目なニュースや記事として取り上げるようになっていった

この2つの画期的な新薬が常にワンセットにされてきたのには理由がある
ともに男性ホルモンへの影響がある点から勃起力と薄毛化につながるのでは?と言う仮説があったからだ

当サイトではバイアグラの製造メーカーが薬剤に同封している添付文書を公開し、同様にプロペシアの添付文書も公開している

これら添付文書でこれまでに見つかっている副作用とその発生率、プラセボとの比較※も掲載されているのだが、その範囲が広すぎて読んでいる最中にウンザリしてしまう
※プラセボとの比較: 医薬品は副作用の発生を正確に把握しておく義務があるので、製薬メーカーは臨床試験においてホンモノの成分を含んだ製剤を服用するグループと成分を含んでいない外見だけホンモノのように作った製剤(主にブドウ糖)を服用するグループを検証している 
例えば、バイアグラの臨床試験中に「女性を見ると興奮してくる」という報告が0.1%ほど上がったのだが、偽薬のグループも同様に「女性を見ると興奮してくる」と報告した者が0.1%がいた
つまりバイアグラを飲んでも飲まなくても0.1%の確率で「女性を見ると興奮してくる」男性がいるということが分かっただけで、バイアグラにそのような副作用がないことが分かったということになる

今回紹介する記事「薄毛治療でEDになる?AGA治療薬にまつわる噂のウソ・ホント」はDoctors meという医師に相談できるインターネットサービスに掲載されているものなのだが、非常に丁寧かつ分かりやすくまとめられているので、ED治療とAGA治療の相関関係について気になっているという患者さんにはぜひ目を通していただきたい

ここでは結論だけを引用させていただく

引用元: Doctors me – 薄毛治療でEDになる?AGA治療薬にまつわる噂のウソ・ホント

巷の噂 その1:AGA治療薬でEDになる?

EDの男性

ミノキシジル(リアップ)

ミノキシジルの塗り薬には性機能に関係する副作用はないと考えられますが、飲み薬(日本国内では未承認薬)には性欲減退・勃起不全が報告されているようです。

フィナステリド(プロペシア)

日本国内の臨床試験で、一年間のフィナステリド内服を続けた患者さんで、2.9%に勃起不全・射精障害・精液量減少など性機能障害がありましたが、プラセボ(フィナステリドを含まない偽の薬)を飲んだ人との差が認められなかったとされています。

デュタステリド(ザガーロ)

性欲減少(5%程度)、勃起不全(4%程度)、射精障害(4%程度)などが報告されています。(参考)

検討すべき課題

こういった性機能障害は、薬の作用機序から考えると可逆的(薬をやめれば元に戻る)と考えられますが、どの程度の期間で回復するかは検討されていません。

この結果を見ると薬局で買えるリアップとプロペシアによってEDになる可能性はないと断言できる

昨年発売されたばかりのザガーロには4~5%のEDが認められているが、当院ではこれも追跡検査(医薬品は販売後も処方した医師からの報告を添付文書にフィードバックし続けている)によって下がっていくと考えている

引用元: Doctors me – 薄毛治療でEDになる?AGA治療薬にまつわる噂のウソ・ホント

巷の噂 その3:バイアグラを飲むと薄毛になる?

薄毛に悩む男性

シルデナフィル(バイアグラ)の副作用としての脱毛は、海外の投与実験で0.1%未満に認められたと報告されています。
ほぼ無視してよい数値と思われます。

この記事ではバイアグラしか名前を挙げていないが、シアリスレビトラといった他のED治療薬も元々が肺動脈と血管にしか存在しない酵素への働きしかないので薄毛化は物理的にあり得ないことが分かっている

AGA治療薬がEDの原因にならないこと、またED治療薬がAGAの原因にならないことが分かってもらえただろうか?

安心して治療できるキッカケになれば幸いである