お電話にて問い合わせいただいたのだが、なにやらバイアグラを服用すると耳が聞こえなくなるというネットニュースを見たとのこと。
調べてみるとJ-CASTヘルスケアの記事のようだ

引用元:J-CASTヘルスケア ヒュー・ヘフナー、バイアグラの影響で難聴だったのか 「耳よりセックス優先」妻や恋人たちの証言続々

2017年9月27日に91歳で亡くなった「プレイボーイ」誌創刊者のヒュー・ヘフナー氏について、英国の複数のタブロイド紙が「バイアグラの副作用で難聴になっていた」とこぞって報じている。

ヘフナーさんの恋人だった双子のプレイメイト、シャノン姉妹が「The Sun」紙に「(ヘフナー氏は)聴力よりもむしろセックスすることを選んでいた」と語ったためだ。

、本当に難聴も起きる可能性があるのか。

冒頭から「バイアグラの副作用といえば血圧の急激な低下が知られているが」などというデマを垂れ流す記事に不信感が募り、該当記事の引用元となっている英国のタブロイド紙 The Sunの元記事を読んでみた。
昨今、国内のマスメディアには恣意的に事実を歪曲させるフェイクニュースが蔓延っているからだ。

The Sun HARD OF HEARING Hugh Hefner’s widow Crystal Harris said sex drug Viagra made Playboy founder DEAF.

確かにタイトルは読者の目線を引くためにセンセーショナルになっており意訳すると「ヒュー・ヘフナーの未亡人 クリスタル・ハリスの証言! セックスドラッグのバイアグラが世紀のプレイボーイを難聴にしていた!」といった感じだ。

しかし記事の根幹は、いかにヘフナー氏が60歳年下の妻を愛していたかという内容であり、彼は夫としての男としての威厳のために一時的な難聴の症状もいとわず、バイアグラを飲んでくれていたという内容だ。 その内容に対して元恋人も同様の証言をしているに過ぎない。

記事にも明確に書かれているように、ヘフナー氏は元から補聴器を使用するほど耳が遠く(御年91歳であったことを考えれば、むしろ当然と言えるであろう)、自身もバイアグラを服用することで一時的ではあるが更に聞こえにくくなることを自覚した上で、バイアグラの服用を選択していたのだ。

実に世紀のプレイボーイらしいではないか。

そして彼の主治医がどういう診断を下していたのかは知らないが、当院では76歳をED治療薬処方の上限と定めており、メーカーは80歳以上の方を対象とした臨床試験も行っていないため、主治医の独自判断で処方していたと思われる。
つまりメーカーも想定していない使用法ということになる。

では、実際にバイアグラを服用すると一時的な難聴になるのか?

答えば「頻度不明であり、かつ原因不明ではあるが、ゼロとは言えない」だ。

2007年、米食品医薬品局F.D.A.と英国民保健サービスN.H.S.、オーストラリア保険省薬品・医薬品行政局T.G.A.からの要請で、バイアグラの製造元であるファイザー社とシアリスの製造元イーライリリー社、レビトラの製造元バイエル薬品の三社合同調査を世界規模で行ったところ、ED治療薬の服用後に突発的に難聴の症状を感じたことがある患者さんが過去10年間で延べ人数で47人いることが判明したのだ。

しかし、ED治療薬の薬理機序から原因を見つけることはできなかった。

ちなみに一年間で突発性難聴を患って耳鼻科を受診する患者数は日本国内だけで約2万4千人もおられる。
人口比で言えば0.015%であり、2,007年の三社合同調査の範囲と照らし合わせると年間540万人が突発性難聴の症状を感じていることとなり、10年間の延べ人数は5,400万人と言える。

なお、5,400万人中47人、つまり0.000087%という確率であっても、可能性があるのであれば可能性があると言わねばならないほど厳格なのが医療である。

最後に、0.000087%という確率をあなたがどう感じるかは分からないが、福岡・博多のED治療で専門医療機関として10年以上の実績ある当院から言わせてもらえば、100万分の1以下※という確率は考慮する必要性のない確率だと断言しよう。

 

※100万分の1以下をイメージしてもらうには100万ミリの内の1ミリ(1キロの内の1ミリ)と思ってもらえば良い。